「オナニー」の語源は、じつはオナニーじゃなかった
毎日だれかが口にしているあの言葉。元ネタは聖書の登場人物なのに、その人がやったのは別のことだった。

舞ねえねえ姫華さんっ! オナニーってさ、昔の「オナ兄さん」って人が考えたんでしょ? ボク知ってるんだからっ!

姫華……はぁ。朝からなんて単語を大声で言うのよ、アンタ。しかも「オナ兄さん」って何? 誰なのよそれ。

舞え、違うの!? じゃあ……オナン兄さん? うん、オナン兄さんだよっ!

姫華……惜しいところまで来てるのが腹立たしいわね。いいわ、仕方ないから教えてあげる。元ネタは旧約聖書の創世記38章に出てくる「オナン」って男よ。

姫華オナンは、亡くなった兄の妻と子をもうけるよう求められたの。でも生まれる子が自分の子として扱われないのを嫌って、子種を地に漏らした。……つまりアイツがやったのは、ひとりでするアレじゃなくて「膣外射精」なのよ。

舞ええっ!? じゃあオナンさん、オナニーしてないじゃん!! 名前だけ使われてるの、ちょっとかわいそうだよっ!

姫華ふふん……珍しくまともな感想じゃない。広めたのは18世紀のイギリスで出た『Onania(オナニア)』って小冊子よ。1712〜1716年ごろに初版が出て、自慰は罪で病気の元だって煽りながら、ちゃっかり薬まで売り込んでたの。

姫華これが大ヒットして、のちにスイスの医師ティソが『L'Onanisme』を書いた。そこからドイツ語の「Onanie」が日本に入って、今の「オナニー」になったのよ。……病気になるなんて話は、今の医学では否定されてるけどね。

舞へぇ〜っ! じゃあボク、今日から「膣外射精」のこともオナニーって呼ぶよっ!

姫華呼ばなくていいわよ!! 話をややこしくしないで! ……まったく、教えがいがあるんだかないんだか。
姫華のまとめ
- 語源は旧約聖書・創世記38章の人物「オナン」。
- ただしオナンの行為は自慰ではなく膣外射精(いわゆる「子種を地に漏らした」)。
- 「オナニズム=自慰」の意味を広めたのは18世紀英国の小冊子『Onania』と、それを受けたティソ『L'Onanisme』。
- 日本語の「オナニー」はドイツ語の Onanie から入った外来語。
出典
※一般的な雑学です。医療上の判断が必要なことは医療機関に相談してください。登場人物はすべて成人です。